豫園見学を終えて、ガイドさんに連れて行かれたのは豫園商場内のお茶屋さんでした。
つまり、ツアー客にお茶の試飲をさせた後、
お茶道具やお茶の売り場に誘導して購入を勧めるという、
まあなんつーか、ツアーならではのお約束コース。
で、お茶の試飲コーナーに居たのが彼女です。
彼女は流暢な日本語で、中国茶の正しい淹れ方のデモンストレーションを行っておりました。
その説明は簡潔にして分かり易く、要点を押さえた話し方や時折見せる純朴な笑顔にも
私たちは好感を持ちました。
ただ一点、気になったのは彼女は殆ど完ぺきに日本語をマスターしているんですけど、
語尾に「な」が付いてるんですよね、何故か。
「え~、このようにお茶の一煎目は、茶葉の汚れを取るために捨ててしまいますな」「紫砂の茶壺は、何日経っても急須内のお茶が腐らない効果もありますな」「このジャスミン茶は、職人さんが手作業でひとつひとつ作ったもので工芸茶とも言いますな」すっごく真面目に、しかもにこやかに堂々と説明を続ける彼女に、私たちは微かな違和感を
感じながらも誰も突っ込めないでいました。
でも・・・ホントはみんな可笑しかったんだと思います^^;
さて、お茶の試飲後、
商品の並ぶ売り場へと移動して、ツアー客たちは思い思いにお茶や茶道具を手にとって
物色を始めたのですが・・・
ふと、気が付いたら、彼女が私の後ろにくっついて話しかけてくるのね。ははは
いや~、困った。
大体において、こういったツアー客相手の店の場合、およそ市価の2~3倍の
お値段ってのは常識です。
ワシらは初めから買うつもりも無かったから、彼女に他のお客さんに付いた方が
商売になるよとこっそり言いました。
しかし、それでも彼女は何故か離れずにくっついてきたので、諦め半分で他愛ない
世間話を開始することに。
聞けば、彼女は故郷のハルピンで日本語学校に通い日本語をマスターした後、
ひとりで上海に出てきてこの職業に就いたとのこと。
う~ん、そっか。頑張ってるんだね、あなたも・・・。
つい老婆心がむくむくと頭をもたげました。
「あの~、あなたは日本語の説明もすごく上手で分かり易かったんだけど、
語尾に「な」を付ける癖があるから、それを直せばパーフェクトですよ♪」
そう私が言った途端、彼女は目を白黒させて????な表情。
「いや・・・だから、言葉の最後に「な」を付けるのは、日本ではオジサンとかお爺さんなのよ~。。
たとえば、今日はお天気がいいですな~~とかさ(笑) ふつう若い女の子は使わない言葉なんです」 「うあ・・・▽◇○×☆★△!!!(中国語) ごっごめんなさい!どうしよう、きゃ~~!!」 彼女、耳の付け根まで真っ赤になって、教えて貰って嬉しかったと何度も何度も言いました。
とびっきりの笑顔と、強い意志を秘めた瞳を持った可愛い人。
どうか、都会暮らしであなたの純な心がすり減ってしまわないことを願います。
そして、この先の人生が順調でありますようにと。
ハルピンのはるちゃん、がんばれ~~~!!!
あ、そうだ。
こーいうとこでは何にも買わないと決めていたワシら夫婦でしたが、ついついはるちゃんの
純情にほだされて、妙な茶漉しとか高いだけのNG茶を買ってしまいましたわい←馬鹿
豫園から出てきたら、地元の爺ちゃんたちが行き交う観光客を眺めてまったりと和んでおりました。