どうか安らかに

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まだ小学生になるかならない幼い頃、親に連れられて歌舞伎座に行ったことがあります。

人生初の歌舞伎。しかも「かぶりつき」での豪勢な芝居見物でございます。
(おそらくそれは貰い物のチケットだったと思われますが)


元々歌舞伎にはさっぱり詳しくないので、上演された演目も定かではありませんが
たしか、武士の大義名分とか主君への忠義のようなことのために、わが子を泣く泣く
手に掛ける侍の話だったと思います。

で、親にとどめを刺された子どもは、正座したまま前のめりに倒れて絶命。
その後ぴくりとも動かず、最前列の席でじいっと凝視していても、
呼吸までもが止まってしまったかのように、全くわずかな息遣いさえも感じられません。
あまりにリアルな死にっぷりにビビッたわたしは、思い余って臨席の親に
「ねー、あの子ほんとうに死んじゃったの?」と小声で問いかけてみたものの、
静かに!!!! と、鬼の形相でドツかれましてな。。
それも今となっては思い出です。



そして、あれから数十年経った今もなお、
その子役、中村勘三郎(勘九郎)の演じたワンシーンは鮮烈な記憶となって
わたしの心に刻まれております。

中村勘三郎さん。
なんともいえぬ愛嬌と人としての可愛さ、あなたのそういうところが大好きでした。
芸のことはよくわからないけれど、そんな可愛らしさが芝居にも出ている気がしていました。

体温の伝わるようなあのあったかさ、あの可愛らしさ。そういう芝居がもう見られないのは
実に実に残念でなりません。

同世代人として只々寂しいです。悲しいです。悔しいです。



合掌。
by fukuzzz | 2012-12-07 13:38 | 日記

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